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空気の道「エアフロー」が変えるプリンターの環境性能

プリンティング事業「エアーフローシミュレーション」

電気を使うには、発電が必要です。太陽光や風力といった再生可能エネルギーによる発電も増えてきましたが、大半は石油・石炭・天然ガスなどによる火力発電であるため、電気を使うことは、地球温暖化の原因となる二酸化炭素(CO2)の排出につながっています。
ブラザーは、地球環境に配慮した製品をお届けできるよう、CO2の削減に向けたプリンターの「省電力技術」の開発を行っています。

関連するSDGs

レーザープリンターの「排熱」問題

レーザープリンターは、“トナー”という色の付いた粉を熱で紙に定着させるため、印刷時に内部で高熱を発生させます。高熱は基板上の電子部品の低寿命化や耐久性の低下、製品の安定動作の支障につながることから、内部の熱を外部へ逃がし(排熱)、製品内部を適温に保つ必要があります。電子機器の排熱には一般的に冷却ファンが使用されます。冷却ファンは電気を消費することから、その動作時間を減少させることや、冷却ファン自体を無くした「ファンレス」構造にすることで、環境性能を上げることができます。

矛盾した理想をカタチにするために。

プリンターの性能向上のために印刷速度を上げれば、製品内部の温度が上がる。高機能化のために部品点数を増やしつつコンパクトな筐体を維持すれば、内部に熱の逃げ場がなくなる。お客様のために性能向上と高機能化を進めながら、製品内部を適温に抑える。この矛盾した理想をいかに実現させるか。ブラザーは、製品内部のごく狭い隙間を通る空気の流れ(エアフロー)に注目し、その適切なコントロールによって、耐久性に加え省エネ性能の向上を目指しました。

エアフローを予測し、高機能と環境性能を両立

従来、エアフローの計測は、実際に試作品を動かしながら行うため、全容の把握に長い時間が必要でした。また、その調整には高度な設計技術が求められ、経験がものをいう職人技の世界でした。しかし、最新シミュレーション技術の導入により、設計段階で空気の流れを予測することが可能になりました。
シミュレーションと実際の製品での試行錯誤の末、熱効率を高めることで省エネ性能が上がり、製品内の部品の耐久性が上がり、長寿命化に貢献できるという理想的なエアフローを実現しました。さらにモデルによっては冷却ファンを削減することで一層の消費電力削減を実現し、高機能・コンパクトかつ環境にやさしいプリンターにつながりました。

エアフローシミュレーション

SDGs POINT

SDGs目標13「気候変動に具体的な対策を」は気候変動とその影響を軽減するための緊急対策を求めています。ブラザーは製品の消費電力の削減によって地球温暖化への影響が大きいCO2の排出を削減し、気候変動の軽減に貢献します。

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