2024.05.08

あいち国際女性映画祭 ディレクター 木全 純治さんのSDGs

あいち国際女性映画祭2023

「あいち国際女性映画祭」が、今年も9月15日から18日までウィルあいちとミッドランドスクエアシネマで開催されます(2023年9月放送時点)。国内外で活躍する女性監督による作品や、女性に注目した作品を集めた国内唯一の国際女性映画祭も、今年で28回目。スタート時からディレクターを務める木全 純治さんに今年のみどころをうかがいました。(イベントは終了しています)

映画祭を逃したらもう見られないかもしれない作品

招待作品は全部で14本(世界初公開1、日本初公開4、愛知初公開9)。どの作品を見ていただいても、絶対満足していただける自信があります!特に、この映画祭を逃すともう見られないかもしれない作品が結構あるんです。
おススメは『プッシング・バウンダリー』(スイス)(2021年/監督・脚本・撮影・編集 レシア・コルドーネッツ)。ロシアのクリミア併合で、練習の場を次々と閉鎖されてしまうウクライナのパラリンピックチームの選手たちを追ったドキュメンタリーです。そして『テルアビブ・ベイルート』(2022年/キプロス・フランス・ドイツ)(監督・脚本 ミハル・ボガニム)。1980年代からイスラエル、レバノンで起きた紛争を背景に、20年にわたって愛する人を救う旅に出かける2人の女性と家族の人生を描くドラマです。今、世界のあちこちで起こっている紛争、世界に迫っているただならぬ危機をみなさん感じておられると思いますが、女性監督たちはそこに「何故?」という「問い」をきちんと投げかけ、しっかりとした視点でみつめています。

アジアの「今」がわかる作品にも注目

今年は韓国から2本、日本初公開の作品があります。まず1本目は『ツアーガイド』(2023年/監督・脚本 クァク・ウンミ)。主人公は、韓国に亡命した脱北者の女性。中国人相手のツアーガイドをしながら、韓国で居場所を見つけようと必死にもがき、働く中でさまざまに迫る困難を描いたドラマです。好きな作品ですね。もう1本が『毒親(ドクチン)』(2022年/監督・脚本 キム・スイン)「いい大学へ入れていい会社へ!」という教育熱が過熱する韓国ですが、学校で規範とされた女子高校生が集団自殺してしまうのがドラマの始まり。娘の死を認められない母親が、娘の友人のせいなんじゃないか、教師のせいじゃないか、と死のなぞを解いていくんですが、実は、母親が原因だった…というミステリー仕立てになっていて、めちゃめちゃおもしろい。韓国の「今」がわかる作品です。

女性の映画界での活躍をもっと支援していきたい

木全 純治さん(右)

女性監督は確かに以前より増えてはいますが、「職業」として成り立っている人は、世界的に見てもまだまだ少ないです。女性が映画界で活躍するために越えなければいけない壁は高い。そんな中で、この女性映画祭が世間に存在を知ってもらう場所になれればと思ってきました。映画祭も今年で28年目になり、注目度もあがってきました。さらにこれからは、「支援」の場にもしていきたいんです。まもなく30周年を迎えますが、その時にはなんとか彼女たちに「投資」ができる環境をつくりたいんです。これまでもスポンサーの紹介はしてきましたが、もう一歩踏み込んで、映画祭がスポンサーになれたら、という思いがありますね。

取材先

あいち国際女性映画祭 ディレクター 木全 純治さん

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この取り組みのSDGsを知ろう

「すぐわかるSDGs」では、SDGsの17の目標をイラスト付きで分かりやすく解説しています。気になるゴールを押すと、目標の解説を1分程度で読むことができます。この記事に登場したSDGsを見てみましょう。

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